第4章 フラグ回収は準2級
仁王側
俺は早くに来てテニスの練習をしていた
最近、参謀にサーブの注意をされたんで確認のためにひたすら打っておった
仁「(フゥ、少し休憩でもするかのう)」
『おはようございます、仁王君』
仁「な!あ、お、おはよう」
正直に驚いた
まさかコートの中で声を掛けられるとは思っておらんかった
俺は声を掛けてきた人物を見た
?白川はいつからおったんだじゃ?
仁「お前さんいつから?」
『少し前にテニスコートに入りました』
仁「そうか」
全く気付かんかった
こんな近くに人が居ったら誰でも気づくはずじゃ
なのに
『少し頼み事があるのですがよろしいでしょうか?』
俺は白川からタオルを受け取った
仁「頼み事?」
頼み事とは珍しいのう
俺はタオルで汗を拭った
『出来れば、あちらのコートで打ってくれないでしょうか?』
仁「?」
白川の向いた方を見ると綺麗に整えられたコートがあり
小さなカラーコーンがサーブ練習用に設置してあった
『他校の方々が来る前にコート整備をしていので、場所を移してくれると助かります』
ああ、そういう事か
だけど
仁「あれは、お前さんが設置したのか?」
『はい、見た所サーブ練習をなさっていた用に見えたので最低限の目標物を設置しました』
仁「ほう」
『ただ闇雲に打っていても上達しないので目標物があればそれなりの練習が出来るかと思い、勝手ながら設置をしておきました』
仁「ありがとさん」
俺は白川にタオルを渡し隣のコートへ来た
仁「こりゃ、厄介な所に置いてあるのう」
俺は一言呟いた
左右対象に設置してあるかと思いきや
俺の苦手なコースに確実に置いてある
仁「やるのう」
俺が苦手なのは内側ギリギリのコースだ
ここまでアバウトにわかっているかと思えば
中々、厳しい所にもカラーコーンが置いてあった
『緑が現在苦手なコース。赤がシングルスで打ってもすぐに対応が可能なコースにしておきました』
仁「お前さん、テニス経験者じゃろ」
『いえ、マネージャーをやらせて頂ける分それなりに勉強をしたまでです』
仁「そこまでかするんか」
『これも仕事です』
そう言い残すとさっきまで俺が入っていたコートの整備が始まった
そして俺も白川の課題に乗った