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古きパートナー

第12章 答え合わせ


試合は進む

仁王先輩は1ポイントも取れないまま

3-0で氷月からのサーブ

仁「...マジか」

苦笑しながらも緊張で表情の強張る仁王先輩

『......』

何も言わない無表情で何処か楽しんでいる氷月

俺はこの試合をマジシャンとしては認めたくない

スロースタートが無くなった瞬間からテニスが変わるなんて

ジャ「1ポイントも取れないんなんて」

柳「全く同じ態勢から打ち出される直線と曲線のボールの判断がつかないのだろう」

幸「彼女の打ち方が不自然だと思ったのは此処だったのか」

相手を揺らすための曲線と直線

全く同じ態勢で打ち出されるために判断が追いつかない

追いついたとしてもそれは甘いボールとなり

氷月から強い苦しいプレゼントを貰う

切「あれが、マジシャンの本気...」

俺は審判、カウント以外は何も言えない

真「俺にはマジシャンの本気には見えないな」

柳生「そうですね。私には白川氷月さん本人の本気に見えますね」

丸「?、白川氷月がマジシャンなら赤也の言ってる事は間違ってねーんじゃねーの?」

海外ではマジシャンと呼ばれている氷月の異名

だけど、それが通じるのはアメリカ以外だ

アメリカの一部ではマジシャンとは呼ばれない

もっと残酷で最低な呼ばれ方

氷月はそれをも受け入れている、拒む事は少ない

柳「では、仁王の行っているテニスは「コート上の詐欺師」に見えるか?」

切「...そう言えば、誰にもなりすましてないッスね」

丸「相手に対抗出来ないからじゃねーのか?」

ジャ「それでも何時もの仁王だったらやるだろう」

柳生「相手が自分を見せて戦っているのにこちらは卑怯な戦いをしたくない、仁王君なりの考えなんでしょう」

幸「仁王のそう言う所は真剣なんだよね」

真「授業にも取り組んで欲しいな」

先輩達を見ていると本当に信頼してもよさそうだ

氷月、この人達は信頼してもいいんだよ

俺も認める、後は氷月次第だよ






上風「ゲームセット、ウォンバイ白川。6-0」

試合は残酷であった

仁王先輩は1ポイントも取らせていない

どちらも本気であった

仁「完敗ナリ」

『お疲れ様でした』
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