第15章 集会
「う~ん…」
私は一通り描き終えた絵を見て低くうなった。
「なぁんか…ピンとこないなぁ…」
私は筆を指先でクルクルと弄びながら考え込んだ。
「何が足りないんだろう…」
私は天井を見上げた。
私はふと窓を見た。
「あ…もうこんなに暗いんだ…」
もう真っ暗で夜空に綺麗な星たちが散りばめられていた。
「カーテン、閉めなきゃ」
私はそうつぶやくと窓へと歩みを寄せた。
―――カサッ…
「っへ…?」
(な、なに…?今の音…窓の外から…)
私は恐る恐る外を覗き込んだ。
「———ッ?!」
「きゃああああああああああああああああ!!」
―――タン、タン、タン
――ガチャ
「どうしたの?望乃、大きな声出して」
「だ、大丈夫…ちょ、ちょっと驚いただけ…」
「そう?…あら、絵描いてたのね!じゃ、頑張ってね!」
――バタン
「…ふぅ…」
私は安堵の息を漏らした。
「何してんですか、殺せんせー」
私は窓を開け、外にいる人物に声をかけた。
「すみません…千葉くんの家に勉強を教えに行っていて…そしたら市ノ瀬さんの姿が見えたので少し挨拶をしようかと…」
殺せんせーは指をつんつんさせながらバツが悪そうに言った。
「はぁ…びっくりしましたよ…」
「すみません…」
私は軽くため息をついた。
「もういいですけど…」
「ところで市ノ瀬さん、何してたんですか?」
「絵描いてた」
私はぶっきらぼうにそう答えた。
「ほぉ~!それはそれは!ぜひ見せて欲しいものですねぇ~」
「…じゃあ何かコメントしてもらえますか?」
「っにゅ…先生、美術はあまり得意ではないんですがねぇ…」
にゅ~と言いながら顔をポリポリとかく。
「え?授業してるじゃないですか」
「そ、それは教科書見てるからだからだしぃ~先生の力じゃないしぃ~」
殺せんせーは顔を(;・3・)にしてモゴモゴと言った。
「…まぁいいや、どちらにせよ見てくれませんか?周りからのコメントも欲しいので」
私は少し機嫌を取り戻しつつ言った。
「これなんだけど…」