第14章 媚薬
「~♪」
昨日の夜のこともあり、今日は機嫌がいい。
朝ご飯はメロンパンとバナナ煮オレを買った。
「望乃、おはよう」
後ろを振り向くとカルマくんが立っていた。
「カルマくん、おはよう」
「なんかご機嫌だね」
「昨日いい記事を見つけたんだ」
私はニコニコとしながらメロンパンを頬張る。
「口についてるよ」
カルマくんはそういうと私の口についていたメロンパンを指で取った。
「えっ…あ、ありがとう…///」
思わず頬を赤らめる。
「んで?どんな記事だったの?」
「えっとね…これ」
私はスマホを開き、その記事を見せた。
「…『深海絵画コンクール』?…何これ?」
「深海の絵を描くコンクール」
「それは分かるけど…これのどこがすごいの?」
「ココ見て」
私が指差したところには『最優秀賞受賞への豪華賞の中にはあの有名マンション『ハデヒス』に住める?!』という大きな見出しが出ている。
「…あぁ…なるほど、1人暮らしがしたいわけね」
「うん」
私はこの記事を見た瞬間すぐに絵を描き始めた。
親から逃れるために。
このコンクールの豪華賞の中には20万という大金もある。あの二人が目を引かないはずがない。
「でもこれ、全年齢対象だよ?大丈夫なの?」
「…う~ん…頑張ってみる」
「そっか、応援してるよ」
そう言われ、頭をポンとされた。
「…///」
(反則だよ…///)
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教室に入るとまだそんなに人は来ていないらしくて、来ているのは渚くん、カエデ、倉橋さん、片岡さん、前原くん、磯貝くんだった。
「ののちゃん!ちょ~っといいかな?!」
そう言われ、私はカエデにぐいぐいと教室の端まで連れて行かれた。
「なんでカルマくんと付き合ってるって教えてくれなかったの?!」
止まるや否や急に怒鳴った。
「えっ…」
私は混乱した。
カエデには言おうとは考えていた。
でもまだ話していない。今日カエデの家ででも話そうと思っていた。
「なんで…」
「そのくらいわかるよ」
カエデは呆れた顔で溜息をついた。