第3章 担任の先生は超生物
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―――キーンコーンカーンコーン
チャイムの音でハッと我に返る。
ずっとボーッとしていたようだ。
「ののちゃーん、今日どうしたの?授業中、ずーっとボケぇとしてたよねぇ」
この子は『茅野 カエデ』。一番最初に話しかけてくれた女の子。今ではいつも一緒に行動する仲だ。
「ううん、なんでもないよ。ただ、進撃の小人の2期っていつだっけと思ってさぁ」
いつも私の心配をしてくれる。あんまり心配をかけたくないという思いでアニメの話へと話を持ち出す。
「あぁ!それ知ってる!エレイン・イェーガーっていう人が主人公のやつでしょ?」
「そうそう!すっごくかっこいいんだァ!やっぱ2次元だよねぇ!」
「えぇ~?」
こんな日常の会話一つひとつが楽しい。
私は暗殺は苦手だ。
実は私の考えた作戦が一度だけ採用されたことがあった。
もちろん攻撃は一切当たらなかった。
失敗した理由は私にあった。
小さな段差につまずいて転んでしまい、ナイフを落としてしまったのだ。
ナイフを見たことにより先生の警戒心を強めてしまい、成功率を下げてしまった。
もうあんなミスはしたくない。
だから最近では暗殺に参加せずに暗殺の様子を描いて見守っている。
「ののちゃん?」
「え?」
「大丈夫?さっきからボーッとしてるけど…」
また心配をかけてしまう。適当にごまかすか…
「あぁ、うん。少し寝不足で…」
「保健室で休む?」
「うーん、そうしようかなぁ」
「なら私がつきそうよ!」
「えぇ、いいよ。大丈夫だよ。そんなに辛いわけでもないから」
「えぇ…」
カエデは心配そうな顔でこちらを見ている。
「大丈夫だよ。でも先生に言っといてくんない?保健室行ったって」
「OK~」
そう言って私は教室を出た。
あんまり周りの人に迷惑はかけたくない。
めんどくさがられて突き放されるのは嫌だ。
だから私は人と距離近づけないようにしている。
自分の身を守るために。
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