第7章 これが恋。[ドルイット]
「また、美味しい紅茶があったら
駒鳥に淹れてあげるよ。」
彼女は肘掛けを背もたれに座り
脚をソファに置く。
私が
ソファに置かれた脚を
そっと撫でながら
腰かけると、
彼女はビクッとしてから
その手を握った。
『…が、いいです…///』
顔を真っ赤にして
目をそらす彼女に
気が狂いそうになる。
私はこのとき、
絶対に彼女を手離さないと
決めた。
「……
あぁ、いとおしい…//」
握られた手を逆に掴んで
強引に、優しくキスをした。
『ふんんっ…///』
彼女の吐息に
理性が崩壊しそうになったが、
彼女の脚のことを思うと
無理させられなくて
今朝はここまでで我慢した。
**
私はどうしてしまったの。
あの女好きで有名な
ドルイット子爵に
名前を呼んでほしいなんて…
けど、
昨日のキスや、
今朝のキスに愛以外のことを
感じられなかった…
彼なら、信じても
大丈夫なのかな…//
それより、私は
あのリアンが
私をやすやすと
諦めてくれるはずがないと考えて
怖くなっていた。
いつ、ここがバレて
連れ戻されるか分からない。
市警にでも通報されたら
ドルイット子爵はまた逮捕されて
私もまたあの場所へ
帰らなきゃいけなくなる。
それだけは
何とか避けたかった。
**
「今帰ったよ!!
…
私の姫…」
チュッと髪にキスをして
今日仕事であったことを
話してくれる。
確か、カリー対決の
審査員…だったかな…;;
「おぉ、そうだ、
そんなことより、
君の脚を治すための薬を
貰ってきたんだ。」
話に夢中になっていると、
そう言って
カバンの中からゴソゴソと
物を出してくる。