第2章 リゾート地へ
そしてジェット機は道明寺さんの島に着陸した。
島全体が道明寺さんのものらしい。
綺麗な別荘も建ってる。
道明寺さんの金持ち度は桁違いだな。
本当に無茶苦茶な展開だった。
学校から帰ったら、母から勝手に荷造りした荷物を渡された。
そして、道明寺さんのリゾートにつくしちゃんと行って来なさい、っていきなり言われた。
はあ?聞いてないし私は行かない!
って言ったのに聞く耳なんか持ってなかった。
そうこうしてるうちに道明寺さんの車がお迎えに来て、有無も言わせず乗せられた。
そして向こうでこれを着なさいと着替えを渡された。
新品のリゾート風のワンピースや靴だ。
なにこれ?まるで私がやる気満々みたいじゃない。
でも機内の他の女の人たちの方がもっと気合入ってた。
さすがに制服のままだとまずいから着替えたけどね。
ああ、憂鬱。つくしがいてくれてよかったよ。
部屋割りは思った通り花沢さんとだった。
なんだか気まずいなあと思いつつ、割り当てられた部屋に向かう。
あんなにたくさん部屋があるんだから狭くても一人部屋でいいのに。
とか思ってた。
でも人の別荘だし、道明寺さん怖いし、逆らえないよね。
花沢さんと何話せばいいんだろ。
とか考えつつ部屋に入ると、先に花沢さんがいた。
花「あ、来た来た。ほら、こっちに来てごらん。」
声をかけられたほうを見ると、すごい景色が広がってた。
思わず駆け出す。
陽「うわあ!きれい!」
ベランダからの景色に見とれてしまう。
青い空、青い海、白い砂浜。
完全なオーシャンビューの部屋。
海の向こうは遮るものがなく地平線まで見える。
陽「すごく綺麗ですね。来てよかった。」
花「何?来たくなかったの?」
陽「んん〜、ごめんなさい。正直言うとちょっと。」
花「あんた、正直でいいね。ああ、そうか。安心して。俺はあんたと寝る気はないから。」
陽「へ?」
思わず間抜けな声が出る。
花「あんたは牧野のいとこなんだろ。
まあ、その前にあんたをそういう対象としては俺は見てないから。安心して。」
思わずホッとして大きく息を吐いてしてしまった。
陽「よかったあ。」
花「やっぱり心配してたんだね。処女?」
陽「なっ!」
顔が真っ赤になり花沢さんを見てしまう。
花「図星っ!クスクス。」
もうやだ。この人。
私はどっと疲れてしまった。
