第6章 お試し
島から帰ってきてしばらくは何事もない日が続いていた。
F4は相変わらず学校に来たりこなかったりだし。
つくしと私もバイトや習い事でゆっくり話せてなかった。
道明寺さんともまともに顔合わせてないし、特に進展はなかった。
だってつくしが一緒じゃないとF4の近くには行かれないよね。
でもつくしから今日、先日のことについて私にもちゃんと話したいと言ってきた。
バイトは休みだからって。
私も話しておきたいことがあるからって言った。
放課後、私の部屋でつくしと向き合う。
まず、つくしが花沢さんについて話してくれた。
初日の夜も浜辺で花沢さんと会って、静さんのことで傷心の花沢さんを抱きしめていたこと。
次の日の夜は花沢さんをほっとけなかったのと、自分の気持ちに嘘がつけなかったのと、花沢さんからっていうのもありキスしてしまったこと。
そして怪しいと思って探ってた道明寺さんに見つかってしまったこと。
花沢さんとは付き合うというよりも、二人で一緒にいて話したりじゃれたりする雰囲気が心地良いんだって。
今はキスまで。
そのうちそれ以上のことがあるのかもしれないけど、二人はそんなガツガツする感じじゃないしね。
見守って欲しいといわれた。
つ「陽南、あの時は本当にごめんね。
そんで本当にありがとう。」
陽「もういいよ。」
つ「陽南にちゃんと話せてよかった。ありがとうね。
で、陽南の話したいことって何?」
陽「う、うん。ちょっと話しにくいし、しばらくは誰にも黙ってて欲しいんだけど。
道明寺さんにも聞いたって言わないで欲しいんだ。」
つ「え?道明寺?」
陽「実はね…」
そして私は道明寺さんとのことについてつくしに打ち明けた。