第1章 転校生
「うん、うん、じゃあ、明日。校門の前に8時に待ってるから。つくし、ちゃんときてよ。じゃあね。」
なんか奥歯に物の挟まったような表現しかしないつくし。
私にはあまり関わらない方が良いって?
どういうこと?
あとF4には気をつけてって?
ほんとよくわからない。
じっくり教えてって言うのにバイトが忙しいとか、
家では電話で話しにくいとか、
スマホは持ってないからラインはできないとか、
携帯メールはショートメールしかしないとか、
パケット契約してないとか、
全然理由になってない!
一応社長令嬢だけど。
広島では、学校はわりと家の近くだったし自転車で通ってた。
東京では父親が車を使うから電車とかで通ってる。
いつかは自転車でもいいかも。
校門の前に立ってると、なんかじろじろニヤニヤ見られる。
もしかしてつくしと似てるから?
間違えられてる?
小さい頃は同い年ってこともあって、双子によく間違えられたっけ。
今は私の方が背が高くなったし、髪の毛もつくしより長いはずだから。
「ごめん!お待たせ!」
つくしがやっと来た!
「ううん。大丈夫。私が早くに来ちゃったから。」
「あはは。陽南。変わんないね。会えて嬉しいよ。」
「じゃあ職員室に行こっか。」
「うん、ありがとう。頼りにしてるからね。」
つくしに案内してもらい職員室へ無事にたどり着く。
その後、転校生としてクラスで紹介された。
つくしと同じクラスでよかった。
それにしてもじろじろ見られる。
本人たちは似てないと思うけど、人に言わせると目元が良く似てるらしい。
つくしって有名人なんだね。
F4とは腐れ縁みたいなこと言ってたけど。