第1章 転校生
私は「沢井 陽南子 ひなこ」。
広島を拠点として全国展開してた上場企業の沢井製薬の次女。姉がいる。17歳。高2。
沢井製薬は日本の少子高齢化の影響から、今後はまずはアジアを中心に世界販売を見据え、東京に営業本社を設けることになった。
そして、私たち一家は東京に移住。
私は広島を離れたくなかったけど。
親の意向で「英徳学園」に転校することになった。学力はそこまで問題ないと思うけど…。
母方のいとこで同い年の牧野つくしちゃんによると、東京の金持ちばかりのとんでもない学校らしい。
馴染めるのかな。
まあ、しばらくはつくしを頼りに行くしかないよね。
普段はそうでもないけど油断すると広島弁が出ることもある。
言葉がなまってるからっていじめられるのやだな。かなり不安…。
つくしも学校生活についてあまり詳しく教えてくれないし。