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シンデレラと白雪姫

第2章 Believer


長老は座るように促すと話し始めた。
ーその頃、国では王妃様がお亡くなりになって喪が開け、隣国名古屋の王の妹君が新たな王妃におなりになった。
その時に名古屋国から京都国に留学なすっていた男がそのまま京都国に留まり、トントン拍子で出世していったのじゃ。国王様と新しい王妃の間には程なくして王子が生まれ、国中お祭りモードじゃった。
じゃが、名古屋王に王妃が呼び戻された日があっての。王妃はしばらく名古屋国に帰ったんじゃ。その時にコトは起こった。お前さんたちも知っとる京都国王殺害事件じゃ。わしは…否、推量は挟むべきではないのぅ。当時は犯人不明のまま処理されておったが、10年が経つと王国側が動き出しよった。取り敢えず誰でもいいから犯人を捕まえないと、となってシンデレラ、お前さんの親父さんが連れられていった。当時は王国お抱えの料理人の責任者だったから王様に近づく機会がようけあったそうだ。だからと言ってそれはかなりこじつけでしかないのさ…本筋に戻そう。そして白雪姫の殺害命令が出た。森に捨ててこいとのお達しだった。命を受けた狩人とシンデレラの親父さんの機転のお陰で白雪姫は今も生きておるー

「じゃあ父さんはホントに何もしてないし、女王と大臣の餌食になっているだけなのね?」
「それに隣国の王様…一番の黒幕じゃない。」
そうブツブツ呟きながら歩き回っていたシンデレラが突然転けた。木靴が床板の穴に引っかかったらしい。
「その格好じゃ城内には入れないわよ…その靴も。」
どーしよー、と深刻さからは程遠い間抜けな回答である。もちろんここにだってショッピングモールはあるが一件だけで誰が何を買った、という個人的なことまで筒抜けになる。
「京都国で買えばいい話じゃないの?」
シンデレラが言い放つと白雪姫の気圧が下がった。
「私は…見つかったら死刑なんですが…ご存知?」
「ご存知!!」
ニヤリと笑うシンデレラに小人たちが耐え切れず吹き出した。考えがあるから聴いてよ、とその場の全員を集めて秘密会議が始まった。

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