第4章 アラジンの魔法を見てみる!【ほのぼの】
廊下を歩いて自室に戻ろうとしている時、ふと外に目を移すとアラジンがいた。
どうしても気になって、近くに行ってみる。
アラ「うーん…うまく行かないなぁ」
『何してるの?』
彼の目の前にあった水が弾け散り、ぱしゃん…と音を立てて崩れていった。
アラ「!…レイさん…」
『ごめん、邪魔だったかな…?』
足元に落ちてしまった水たまりがゆっくり地面に引きこまれていく姿に苦笑いした。
夕暮に、青い髪が紫になって揺れている。
アラ「邪魔なんかじゃないよ!」
話を聞く限り、アラジンはこの時間いつもここで自主練しているみたいだ。
『で?何してたの?』
アラ「うん…新しい魔法を試してるんだけど…上手く行かなくてね…」
『…そうなんだ…どういう命令式にしてるの?』
アラ「えっ!?…えっとね、ここをこうして…」
アラジンが地面にすらすらと命令式を書いていく。
『違うよ、ここ…この命令式だとうまく行かない…代わりにこうすると…』
途中、変なところがあって、口を出すと彼は目を丸くして私を見た。
アラ「わ!本当だ…安定するね…!」
『うん、これで一度してみたらいいかも?』
「わかった!」と大きな声で言うと、杖を振りかざしてルフに命令を送る。
そして見事に魔法を完成させた。
『これ…光を屈折させて別のものを移す…蜃気楼の原理だね…すごい。』
目の前にはもう一人の私の姿。
太陽が沈み、静かに溶けていく。
アラ「レイさんのおかげで上手く行ったよ!ありがとう!」
『…大したことはしてないよ?』
すると、アラジンは笑顔で答えてくれた。
アラ「ううん、レイさんが助けてくれなかったらできなかったよ!」
褒められることなんてなかったから、嬉しくて顔が赤くなった。
「本当にありがとう!昨日の薬も…助かったよ!」
お礼を言われて更に照れくさくなった私は、俯くと『別に…』としか答えられなくなっていた。
アラ「あ!もうご飯の時間だね!早く行かないとだよ!ほら、レイさんも!」
手首を掴まれたかと思うと、結構な力で引っ張られる。
『うわっ!?ちょっと待って…!』
アラ「早く行こう?」
私は引っ張られるがままに食堂へ入っていった。
次の日、試験でその魔法を見ることになるとは思ってもいなかった…
→ねくすとあとがき