• テキストサイズ

脱出せよ【黒子のバスケ】

第7章 衝撃的


「真希さんや先生がいてくれて僕ら孤児は幸せだった。」


でも、と佐藤君は続ける。

目の前の景色が変わる。夜だ。真っ暗な夜だ。

景色にジジジジジ…とノイズが走る。

まるでそれは、佐藤君の思い出したくない。という言葉のような気がした。


「ある日、この施設に突然あいつが来たんダ……」

「あいつ?」

「先生も、あおいちゃんモ、あーちゃんモ、かずモ、ともお姉ちゃんモ……。皆、良い人達だったのニ……!

いつも僕に優しくしてくれてたのニ……!

皆なにも悪いことしてないのニ!!!!!」


佐藤君の叫び声が響くのと同時に部屋が体育館になった。


「……っ!ひでぇ……!」


そこには1人の男の人がいた。

その人の足元では四人の体から血を流して倒れていた。


「な、なに…これ…」


よく見れば子ども達だけでなく、お母さんとおじいさんと佐藤君がいる。

彼らには傷一つない。しかし、その彼らにその男は近づいていった。

おじいちゃんがお母さんと佐藤君をかばうようにして立っている。


『…今回の俺の目的はガキだけだから。そのガキよこせ。そしたら助けてやる。』


その男は佐藤君を指さした。

ジジジジジ…

またノイズが走った。


『嫌だね。』


おじいちゃんがそう言うと目の前は血の海になった。


「い……いやっ!」

「渡辺!」


見たくない。おじいちゃんが……!

するとノイズが更に大きくなった。

ノイズに混じって佐藤君の声も聞こえてくる。


ーこの後警察がやってきテ

僕ら孤児と先生の死亡を確認。

真希さんは無事だっタ。

でモ、この施設は変わっていっタ。

復讐という名の欲望のままニ。

皆、あの男を探してル。

あの男ヲ。

僕は復讐とか興味なイ。

真希さんが無事なだけで良かったかラー


その声を最後に私の耳にはノイズしか聞こえなくなった。
/ 88ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp