第38章 強くなる
部屋に入った私は、丸山さんに温かい飲み物をと思い、ヤカンに火をかけた
丸山さんは静かにキッチンのイスに座った
そして、静かに言った
丸山「がんちゃんに、情けない僕を知られちゃったね...」
そう言う丸山さんの背中が寂しそうで、私は驚いてしまった
「丸山さん、どんな丸山さんも全部 丸山さんだから...」
私はそう言うと丸山さんを背中から抱きしめた
すると、丸山さんは辛そうに言った
丸山「本当に辛かった...
がんちゃんに会えなくって、頑張らなきゃと思えば思うほど、がんちゃんが消えなくって...」
私は丸山さんを背中から強く抱きしめた
丸山「がんちゃんがいないと、もう僕は動けないと知ったよ....」
私は、丸山さんの背中から離れて前に立った
私を見つめる丸山さんのおでこにデコピンをした
丸山「痛っ!!!!」
おでこを抑える丸山さんに、私は自分のおでこにもデコピンをした
丸山「がんちゃん!!!!」
慌てて私を見る丸山さんに、私もおでこを抑えて微笑んだ
「私も丸山さんがいないと動けないの...
でも、人に迷惑をかけたらダメだよね」
丸山さんは私を見つめた
「丸山さんは、横山さんやメンバーに
私は店の人やお客様に....」
丸山さんは小さく頷く
「丸山さんも迷惑をかけたし
私もかけたからデコピン!
二人で強くなろ?
一緒に会えない時間も越えられるように」
私の言葉に丸山さんが私を強く抱きしめた
私の身体の熱が突然に上がる
丸山「がんちゃん、本当にありがとう...」
私は胸で静かに首を振った
丸山「本当の意味で僕は君を守れる男になりたい...」
そう言って更に強く抱きしめてくれた
私はその丸山さんの胸で幸せにひたっていたのでした