第35章 俺の
丸山さんと会えない時間は、どんどん過ぎていた
でも、私は首で寄り添うハートと
部屋にある萎れた風船で笑顔で過ごせていた
仕事が終わり、帰り仕度をしてる私に新人が近寄って来た
「ずっと、素敵なネックレスしてるなぁって思ってたら、ペアーだったんですね」
そう言うと、私にある雑誌のページを開けて見せた
それは、関ジャニ∞の特集記事だった
私は目を追って見ると、丸山さんは手首に私のネックレスとお揃いのブレスレットした写真で載っていた
私は、彼女の雑誌を奪い取って見てしまった
その様子を見て彼女は
「こんなに見せつけられたら、腹立つの通り越して呆れてしまうんですけど...」
そう言ってクスクス笑ったのだ
「あっ、その雑誌はプレゼントしますよ」
そう言って先に帰ってしまった
残された私は雑誌を見続けていた
丸山さんの笑顔
今、一番見たかった笑顔
そして、二人を繋いでる証が写ってる
私は雑誌を抱きしめてたのでした
その日の帰りも足は二人の場所へ向かってた
あのベンチでしばらく、丸山さんを思って過ごそうと思ったのだ
会えなくても、あそこに行けば丸山さんと繋がる気がして...
ベンチは出会った時と変わらずにあった
あの時のようにもう寒くはなかった
私はスマホを見た
丸山さんからの連絡はもう一週間もなかった
でも私は笑ってスマホをカバンになおした....
丸山さんは頑張ってるかなぁ...
疲れて体調を壊してませんように...
以前、丸山さんが言った
愛する人の夢のためなら僕は我慢出来るよ
その気持ちが私も理解出来たから、私は笑ってた
その時だった、私の座ってるベンチの後ろに人の気配を感じた
私はとっさに、丸山さんが来たと思って振り向いた
私の後ろに立ってたのは
丸山さんではなく、アイツだったのでした