第32章 ライバル
仕事を終えていつものように、私がスマホをいじってると、彼女がやって来た
そして、私の横に来ると深々と頭を下げたのでした
私は驚いて彼女を見ていた
「ありがとうございました....」
彼女をずっと頭を下げてた
「別に仕事をしてもらっただけだし」
私はそう言って、スマホのチェックをした
「....私、丸山さんが言ってた事が、今日やっと分かりました...」
私の指が止まる
「...今の私では敵わないんですね」
彼女は突然頭を上げて私を見た
私は、何を言ってるか分からず動けずにいた
「...私、かわりますから、そして必ず丸山さんを振り向かせますから....」
私は唖然とした
まだ、この子は諦めないんだと
「...いいけど、私は絶対に渡す気ないから」
そう彼女に告げた
すると彼女はニッコリと微笑んでまた、頭を下げて私の前から去った
私は何故か少し笑ってた
前より嫌な気持ちになってなかった
恋のライバルを受け入れてる自分がいたのだ
丸山さんからのLINEが来てた
<<夜のラジオまで会って欲しいなぁ>>
私は、その文字をクスッと笑い見てた
<<何時もの所で待ってますね>>
そう打つと、スマホをカバンになおして
丸山さんの待つ何時ものベンチに足を動かしたのでした