第20章 オニノイヌマニ
外の様子はわからないが、絶対に劣勢だ。
いくら優秀なクルーの方でも、大人数相手は辛いはず。
ましてやもし万が一、能力者がいたら…。
この前船長さんを怒らせた時に被害にあったのを思い出し、身震いする。
あれは戯れのようなものだから良かったが、敵だとしたら殺す気でくるはず…。
そう考えたら、足が止まってしまった。
甲板にいる、クルーの方々が、誰か死んでしまうこともあるのではないか…?
「トウカ!!」
立ち往生していると、誰かと通信を終えたマスターさんが追いついてきた。
「何してんだ!!早く隠れろ!!」
「でも、甲板のクルーの方は!?」
「戦場となった今、自分の命だけ考えろ!!他の奴らを心配するのは、力を持っている者だけだ!!」
「でもっ!!」
それでも食い下がろうとする私を、苛立ったようにマスターさんが引っ張る。
この時、ちゃんとマスターさんのいう通りに隠れていれば良かったのだ。
ちゃんとした対策を練らずに、この海賊団が上陸するわけないのだから。