第17章 ニチジョウ
足を引っ張るだけだからと部屋に篭っていたのに、問題を運び込んでしまった。
申し訳ない気持ちで悲しくなってくる。
「…そこで何をしている?」
至極冷静な船長さんの声が響き、私を前に突き出す腕に力がこもった。
「探しもんはみつかんなかったけど、まぁかの有名なハートの海賊団に乗ってる女だ。相当イイんだろうよ?」
「…」
「そこをどきな。今回はこの女だけで勘弁してやるよ。」
私を盾にしているためか随分強気なその発言に、私は少し眉を顰める。
これは、自信ではない。
慢心…。
最近クルーになったとはいえ、この船の人は皆情に厚いとわかっているから多分船長さんは私を見捨てない。
でもそれは…。
「…命が惜しいのはわかった。だがお前の仲間は既に負けた。もう海賊として機能できないまでになったそこにそいつを連れて行ったところで、何にもならんだろ。」
「腹いせにめちゃくちゃにしてやるのもイイだろ?」
船長さんは至って冷静。
しかし興奮気味の彼等にそれは逆効果なのか言っていることがめちゃくちゃだった。
顔の見えない船長さんから、長くて深いため息が漏れる。
「なんだ!?何がおかしい!?」
「この女がどうなっても良いのかよ!?」
口々に何かをいうが船長さんは御構い無しの雰囲気。
金属が硬い何かとこすれ合う微かな音をきいて、私は彼が刀を抜いたのを悟り、逃げる隙はないかと頭をフル回転させた…が。
「動くなよ。間違えて切れたら面倒だ。」
「え…?」
「…ROOM」