第3章 サマヨウイシキ
あれから、何日か経ったーーーー
待遇は酷いものだった。
寒暖が激しい気候の世界なのか、朝と夜は寒くて、昼間が暑い。
しかし私のおかれたそこは文字通りの倉庫で、周りにあるものと言えば私には使い道のわからないものであったり、売れば高価そうな金の数々。
夜がふける寒さに息を吐けば、胃がキリリと痛んだ。
「…どうしよう。このままではこちらにきた意味がなくなってしまう」
誰が返してくれるでもない言葉を、暗くて冷たい床に投げかけた。
あの日、目が覚めてから一度も誰ともあっていないし、外へ出てもいない。
この部屋にある唯一の明かり取りにもならない小さな窓が、日中と夜を知らせるばかり。
身じろぐだけでまた胃がキリリと痛んだ。
あの日から人にあっていないというのはもちろん、つまり、あの日からなにも食べていないし飲んでいない。
もう空腹を知らせるあの音は鳴らない。
代わりに痛みが襲うばかり…。
誰にも会えないこの状況では、私はなにもできない。
説得なんてもってのほか。
だって今の私の口には猿轡がかまされている。
起きてそれに気づいた時、声を発してみたらくぐもった唸り声しか出なかった。
おまけに拘束はキツイ。
寒さに耐えながらもう一度身じろぐと、不意に足音が聞こえてきた。
近くに人がいると言う明確な気配に、私は飛び起きて薄暗い部屋のドアを凝視した。
「倉庫にあるんだろ?」
「多分なー。」
微かに、話し声が響く。
それはここへ向かう音らしく、だんだんと大きくなってきた。
誰かが来る。
そう考えただけで落ち着かない。