第15章 シンジン
「え?この世界は島によって四季がわかれてるんですか?」
あの後、結局ベポくんに連れてこられた私は、待っていたペンギンさんから相変わらずこの世界のことを教えてもらっていた。
知れば知るほど驚くことばかりで、本当に私は未知の世界へ踏み込んだのだと背筋が伸びる思いだ。
「そうだが?」
「いえ…不便な気がして…。」
「なぜだ?」
「だって一つの季節しかないなら、できることは一定ですよね?」
「しかしおかげでできることで特化するもんだ。」
「なるほど…。」
最初の頃から思っていたけど、ペンギンさんてとてもモノを教えるのがうまい。
この世界を知らない私にもわかりやすく説明してくれるし、疑問を口に出してもサラリと返されてしまう。
船長さんだけではなくもしかしたらこの船の人たちはみんな頭が良いのかも…。
そんなことを思っていたら、ペンギンさんが不意に読んでいた本を取り上げた。
別の考え事にふけっていたとばれてしまったかと顔をあげれば
「よし、今日はこの辺にしよう。そろそろ昼食だ。午後はこの本を貸すから読んでみると良い。」
どうやらそういう意味ではなさそうだ。
あらかじめ用意されていた本をペンギンさんから手渡される。
文字は少ない。
絵もついていて、子供の本なのかもしれない。
「読めるでしょうか…。」
不安を口走ればペンギンさんはさもないというように軽く笑った。
「簡単な童話だ。理解できなくて良い。取り敢えず読めるようになれば。」
「わかりました。」
そう言ってもらえて安心して本を受け取れる。
理解しないつもりではないが、こうやって逃げ道を用意してもらえたことで不安が薄れる。