第14章 リハビリ
本当に美味しそうに食べる奴を横目で見ながら、コックは俺の隣に落ち着いた。
真っ黒の見事な髪と、目が、白い肌によく映える奴だと思う。
助けた当時は治療対象としてしか見ていなかったため、今改めてみれば、幼い顔立ちながら顔は整っていた。
今日の朝身長が伸びたせいで大人に見えるが、これであの身長のままならガキと言われてもおかしくない。
観察するように見ていたのに気づいたのか、奴は不意に俺を見上げた。
「…朝からよく食うな。」
適当な事を言えば、
「美味しいので…。」
そう恥らうように言われ、その辺はまだ子供だなと思う。
容姿はしっかり大人だが、中身は昨日の姿に倣ったようなものだった。
「ははっ。いい食いっぷりだな!気に入った!!」
俺の横でコックが言えば、さらに顔を赤くする。
「あ、ありがとうございます…。」
食べるのを褒められただけでそこまで恥ずかしがるか?
そんな事を思っていたら、
「照れるところなのか…?」
思わず口から漏れてしまった。
それもぼやいたなどというレベルではなかったためしっかり聞き取ったそいつは、笑みを浮かべる。
「いつも、一人で食べていたので…なんだか新鮮です。」
懐かしむように言われて、どことなく心に黒が走った。
自分も奴に触発されていたのか、いつの間にかなくなったサンドウィッチを確認して、俺は立ち上がる。
「俺は部屋に戻る。ペボ、こいつが食べ終わったらペンギンの部屋に連れて行け。持ち場に戻るのはそのあとで良い。」
「アイアイ!!」
言えば元気な返事で返され、そのままダイニングを出ようとした。
「ペボさん、場所教えていただければ一人で行きますよ。」
しかしそんな事をいう奴の台詞で半歩立ち止まる。
だがやはり杞憂だったようで、
「一緒に行こうね!!」
断られるなんて思ってもいないようなペボの言葉に、半分強制の様な勢いで頷いた奴を確認し、俺は部屋へと戻った。