第13章 ホントウノスガタ
「 …この世界に来たときもその身体か?」
もうすべて消化したのかそう問われた。
本当、頭がきれる。
「いえ、こちらへ渡る時に力をほとんど使いましたので来た時は昨日までの姿でした。」
「成る程な。」
どこか納得したように言われたので、もう整理がついたのを悟る。
「説明忘れて申し訳有りませんでした。」
とりあえず驚かせた訳であるから謝ればクールな表情はそのまま。
「ベポがお前が違う女に代わったとか騒ぐのが少し効いただけで、実際は治療の時に妙に発育の進んだガキだなと思っていたからな。むしろ納得だ。」
「あ…はい…。」
お医者だからと思っていたが、そう言われると恥ずかしくなり思わず俯く。
上から笑ったような息遣いが聞こえて非常にいたたまれない…。
「取り敢えず、クルーで前の姿を知っているのは一握りだ。混乱せずに良い。そいつらには事情は俺が話すからお前からは決して口にするな。」
俯いたまま頷く。
すると、船長さんは二三歩退いた。
不思議に思ったのでそちらを向けば、楽しそうな顔と出会う。
何と無く、その顔が怖くて若干身を引けば
「立ち上がってみろ。」
唐突にそう言われた。
確かに、この姿に戻ったくらいであるから、立ち上がれるか。
そう思いながらベットからゆっくりと足を投げ出す。
「ん…」
そしてゆっくりと足に力を入れていったところで、私は簡単にバランスを崩してしまった。
慌ててベットを掴めば、船長さんは予想通りとでも言いたげに頷く。
「…まぁ、最初はこの揺れに慣れねぇだろうな。だが最初だけだ。」
なるほど、私の足がバランスが取れなかったのはここが船だからかとその言葉で思い出し、再び足に力を入れる。
「ベポ!!」
そんな私を一瞥してキャプテンがベポくんを呼びながら部屋を出て行った。