第13章 ホントウノスガタ
私は自分が思うよりもずっと早く回復して行った。
やっぱり、船長さんの腕は凄いのだと改めて確信した、そんな頃のこと…。
朝、ドアの外から感じる人の気配に少し覚醒した瞬間、身体が恐ろしく窮屈なことに気づいて、息が詰まる。
「きつい…。」
今まで袖をまくって使っていた大きめの服が、まくっていたところが圧迫して窮屈だったらしい。
私はもう起こせるようになった身を起こして、まくっていた部分を元に戻した。
あの船の女船医の服であるそれは、少し大きいだけでしっかりと私の身の丈にあっていた。
それに気づいて、私はきつくなった意味を理解する。
こうなることをまだ船長さん達に話していなかったので子供の服とか下手したら与えられていたかもしれないと思うと、その窮屈さを想像して苦笑が漏れる。
そんなことを考えていると、部屋のドアがノックされた。
ずいぶん早い時間の来訪者だなと思いつつ
「?どうぞ。」
答えると
「おはようトウカー!!っ!!?」
元気なベポが入って来た。
「おはようございますベポくん。」
相変わらず元気だなぁと思いながら微笑めば、ベポくんは入ってきた体制のまま固まっているではないか。
その反応を見て、私は自分の身体が変化していることを思い出す。
「…?トウカ?なの?」
少し警戒したような声音に私も緊張する。
「これにはいろいろ事情がありまして…。」
どう説明しようかと思っていたが、ベポくんはまだ警戒を解かずに私の姿を凝視する。
「 取り敢えず、キャプテン読んでくるね…。」
後ろ下がりでそう言われ、完全に警戒されていることに気付き、私は複雑な思いで頷けばベポは素早い動きで扉の向こうに消えた。