第2章 ヨソウガイ
ーーーー耳鳴りが止まない。
「…ここはどこ…?」
飛ばされたことだけはわかる。
ここは異世界。
私がいた世界とは別の場所…。
目を開けば真っ青な空がユラユラと揺れていて、違和感に起き上がれば板張りのところに私は寝ていた。
察するに、私は船に落ちたらしい。
異世界に行くと言っても、こんなに適当なところに落ちるのかと内心ゾッとした。
まぁ船の上だから良かったけれど…。
果たしてこの船…揺れているところをみると航海中であるのは硬い。
なるべく穏便に、ここに乗ってしまった経緯を話してのちどこかの島でおろしてもらわねば。
これでは私は立派な無賃乗船である。
取り敢えず、人の声が聞こえてくる方に行こうと歩みを進めると、影から人がぬっと現れた。
深緑色の目が特徴的なあたり、英語は通じるのかとのほほんと考えてみる。
そんなことを考えられている相手は一瞬驚いた顔をしたがすぐにその顔が恐ろしい表情へと変わって行く。
「てめぇどっから入ってきた!?」
「え…?」
日本語話しているの?
突然の予想外にこちらが発言を奪われる形になり、私は立ち尽くした。
目の前の彼は先ほどの恐ろしい顔そのままで私の腕を痛いほどきつく握る。
「ガキが!!なんでここいる!?」
押し殺したような低い声が鼓膜を震わし、背筋が自然と伸びた。
どうやら発見してもらう人を間違えたらしい。
もっと落ち着いた人とか、頭の良い人とか、話の通じる人でなければならなかったのに。
どうしようと口を開いたり閉じたりするが、なにも言葉は出てこない。
そんな私に構わずに引きずるように私は彼が出てきた階段を降ろされた。
そこは外からはわからないが酷い喧騒になっていて
「シーザーさん!!侵入者です!」
なのに私を捕まえているその人のその人声で、あたりは水が打ったように静まり返り、五感全体で注目の的になってしまったと悟る。