第9章 シロイクマ
「ん…。」
いつの間に寝てしまったのか、目を覚ませば、視界が真っ白だった。
「あ、起きた?」
聞いた事のあるような声でその白い誰かは言った。
白い誰か…?
寝ぼけ頭を動かしながら視界がはっきりしてくる。
大きな、犬?
違う、白い…白い…
「んー…シロクマ?」
「クマでごめんなさい。」
半信半疑でそう言えば、物凄い寂しそうな声が返って来て、そこでやっと私の頭は覚醒した。
「え?あ、あの、貶してるわけじゃなくてね、感想?と言いますか、あのっ!!」
何と言えば良いのか。
傷付けるつもりはなかった旨をどう説明するか慌てていると、シロクマさんは目をパチクリとしばたかせた。
「うふふ。そんなに慌てられると何かどうでも良くなってきちゃうなぁー。」
「そう…ですか…。」
能天気な声音に安心感を覚える。
身体が大きいし、クマって意外と顔が精悍な作りだから戸惑ったけど怖くない。
人懐こい笑みを浮かべている。
「あ、敬語いいよー!!ボク下っ端だし!!ベポっていうんだ!!よろしくね!!」
「え、えと、トウカです。」
「もー敬語いいってば!!」
元気のよさにつられればまるでおどけたように言われて思わず笑みが漏れた。
「敬語は癖なので、慣れれば取れると思います。」
笑みを浮かべるベポさんにそう返せば少しだけ考えるそぶりを見せた。
「そうなの?ふーん。じゃあ早く慣れてね!!」
「は、はい。」
意外と強引だなと少しだけ苦笑。