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空ハ青

第7章 コノセカイ


「これが、今解明されている悪魔の実の図鑑だ。」

しばらくして戻ってきた船長さんが手に掲げたのは凄く古そうな本だった。

その表紙には歪な模様の何かの実が描かれているが、恐らくはこれが「悪魔の実」なのだろう。

「変わった形…。」

思わず口にすれば船長さんの口がわずかに上がる。

「普通の果物なんかとは訳が違うからな。」

そう言うなり、パラパラと何頁か流し読みしたあと、ある頁を広げて私に掲げて見せた。

この世界の言葉で書かれた図鑑に、一瞬戸惑いはしたがよくよくみてみれば英語ではないか。

「あ。」

読み解こうとしたらヒョイと裏返されて私の目に映るのは表紙と裏表紙だけ。

「スクスクの実…。これか。ここに乗ってるってことは過去に存在してる。だからこの時代にも存在するな。」

私が読み解くよりも早い読解で船長さんは必要な事をかいつまんで言うと、私に視線を移した。

他に知りたい事はない。

「取り敢えず、安心しました。存在しないよりはましです。」

本当に安心してそう言えば、船長さんはシニカルに笑った。

「確かにな…っ!!?」

私の安心感が場を支配するかと思いきや、大きくその場が揺れたのと

「キャプテン!!敵襲です!!」

どこからか聞こえるその声に目の前のその人の纏うオーラが変わった。

「またか。」

そう言った口調も、表情も、ついいままで話していた中には現れなかったもので、私は戸惑う。

「…おい。」

どこから出るのか低い声に

「はい。」

頷けば

「この部屋から出るな。鍵をかけておく。

一応この船の中に敵はいれさせないつもりだが万が一はいってきたら抵抗しろ。必要ならば殺せ。」

「…。」
そう言い残して去って行くその人に、私は何も返事ができなかった。

ただ、わかったのは、とんでもない人に拾われてしまった事。

思いにふける暇もなく部屋全体を衝撃が次から次へと襲い、少しだけ不安になる。

「すごい音…この船は大丈夫なのかな?脆くはなさそうだけど…お腹すいた…寝ても良いかな…」

しかし、人間と言うものはどこまでも自分の欲望に忠実なようで、私は静かに目を閉じた…。









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