第39章 ダンノシット
ノックの音で目覚めて、あたりの明るさに飛び起きる。
完全に寝過ごしているではないか。
甲板掃除の係りはサボるとペンギンさんがとてもうるさいのに。
寝癖で顔にかかる髪を払いのけながらベットから降りようとしたところではたと気付く。
…そうだ、ここは船ではなかった。
綺麗に整えられた調度に頭を整理し直して再度叩かれたノックに返事をする。
「お邪魔するわ。」
独特の色香を放つその人は、しなやかにドアから滑り込んできた。
「ダンさん…。」
昨日あったばかりのその人の名前を呼べば、妖艶に微笑む。
「驚かないのね。」
「いえ、そんなことは…。」
正直、驚いていたが顔には出なかったらしい。
ダンさんはクスクスと笑った。
「案外賞金首のわりに人の気配には疎いのね。10分前くらいから起きてくるかドアの前で待っていたのだけれど、気付いてた?」
悪戯のような笑みを浮かべて問われたが、首を振る。
否定しながら、私の心は落ち込んだ。
賞金首なんて言われたって…何でそうなったのかもわからない。