第38章 オシカリ
凄まじい爆音のような音で私は気づく。
和んでいる暇はなかった。
土煙でもあげているのではないかと思えるような壊れたドアの向こうに見えたのは、この世のものとは思えないほど黒いオーラをまとった船長さん。
決して忘れていたわけでは無い。
ついさっきまでは心配していた。
なんて言い訳をいう隙も見つからない威圧感が私を襲う。
「キャ…キャプテン…」
隣のベポくんもわかるらしい。
冷や汗を垂らさんばかりに焦っているのがわかる。
シャチさんは…もうすでにこの場にはいなかった。
「ベポ、出ていけ。」
地を這うような声がかかり、ベポくんは大きな体を震わせる。
「キャプテン…トウカは…」
それでも何とか弁解をしようとしてくれているのか、震える声でそこまで言葉を紡いだが、あとが続かなかった。
先ほどが限界だと思っていたオーラが、一層勢いをましたからだ。
息を飲んだベポくんは、緊張しつつ、それでも私を心配するようなそぶりを見せたが、やがて部屋から出て行った。
出て行きつつ船長さんが壊したドアをはめていたのは、少しでもこの場にとどまろうとしたゆえの行動であろうが、この緊迫した雰囲気に似合わないカポという何とも期の抜けた音がしたのは言及するに忍びない。