第29章 チョーカー
そしてゆっくりとポケットからそれを取り出した。
少し薄暗くても、ほのかに光っている気がしてしまうくらい綺麗なそれは、見れば見るほど繊細で、着けることに躊躇してしまうほどだ。
しかしせっかくだからと、チェーンの留め具を外し、首につけようとした時、ふと気づく。
あの宝石ではないとシャチさんが言っていた石の中に、白い何かが入っている。
よくよく観てみると、紙の様なものだ。
これが宝石でない所以はこれからかもしれないと、何と無く納得し、首から離して光にかざして見る。
紙はキラキラと輝いていて、それはそれでどこか素敵なのだが…。
「おい。」
そのまま鏡の前で見惚れていると、後ろから声をかけられる。
とっさに振り向けば、怪訝な顔をした船長さんだった。
また何か様だろうかと返事をすれば、船長さんは一瞥を残したあとに歩き出す。
ついて来いということだろうか。
そう思いたち、足音を立てて追いかければ、何も言われない。
やっぱり、ついて来いという意味だった。