第24章 オモイ
そう言えば、黒鉄の存在をクルーには教えていなかった。
「この前の島から帰ってきたら、倒れたこいつのそばにいたから置いてる。」
あながち嘘ではないことを言っておくと、ペンギンは興味が移った様にバカ女と、黒鉄の頭を撫でた。
「あの気に当てられたんだ。一般人のこいつが死ななかっただけいいのだろうけど…流石に3日も生徒の元気な顔が見れないのは、応えるもんだな…」
まるで親の様にそういうと、寂しそうに苦笑を漏らす。
「どこにも異常はないのだろ?」
「言ってしまえば心因性のものだ。回復を待つしかない。」
本当のことなど言えることもなく、俺はペンギンの手にある地図を取り上げて勝手に広げる。
「次の島まであと数日か。この海流なら潜水してもイイな。いや、むしろこの士気の下がっている時こそ潜るべきか。」
「やはりそこに目をつけるか。俺にもどうする事もできないから聞きに来たが…」
撫でていた手を数秒止めて、ペンギンは目を細めた。
「みんな、待っているから。早く目覚めるんだぞ。」
人形のように動かないそいつに、ペンギンはそっと呟いていた。