第23章 バカオンナ
「お前…黒鉄だとか言ったか?」
「いかにも。」
「巫女について俺は不十分だった。教えろ、お前の知っていることすべてだ。」
おもむろにそう話しかければ俺が真剣に言っているとわかるのか、黒鉄はコクコクとおもちゃのように頷いた。
そんなやり取りのあと、コックに向き直る。
「今まで蚊帳の外だったがここまで知ったんだ。あとで事情を話すから今は忘れろ。」
聞きたいことだらけだ、と顔に書いてあるそいつに酷だと思いながらもそう言った。
そう言えば、聞き分け良くとは言わないしばらくの沈黙のあと、ため息混じり承諾する。
「まぁ、話し聞くよりも俺はこの腕を早く止血しないとだいな。先に行ってる。」
俺の言わんとする事をすべて代弁して、頷いた。
「俺はこいつを寝かせてから行く。」
そして医療機器がある方へコックが向かうのを確認した後、すぐにトウカと黒鉄を俺の部屋に放り込んでことの後処理に追われた。
トウカの部屋もあるのではと黒鉄に聞かれたが、あいつの部屋はいろんな奴が気軽に出入りする。
「もしお前が見つかって敵と勘違いされて殺されかねないぞ。」
脅し文句を付け加えれば、奴は必死で首を縦に振った。
あまりに必死で忘れていたが、あいつは神だからそもそも殺されないんじゃないかと、今なら思える。
処理がすべて終わり、クルーに出港命令を出した後、コックを連れて俺は部屋に戻った。
宣言通り寝たままのバカ女の横で、黒鉄から詳しい話を聞く。
その話は途中夕食を作りに抜けたコックを除いた俺と黒鉄で、夜になってもしばらく続くくらいだった。
最初から説明してもらったが、黒鉄から聞く話は俺が聞いていた話では追いつかないくらい知らない話が混ざっていた。
隠してたのかとベットで微動だにせず眠るそいつを睨む。