第27章 文化祭①/伊月*宮地*森山
後夜祭。
名前と手を繋ぎ座り、フィナーレの花火を眺めていた。
「何で俊コンテスト出るって言ってくれなかったの?」
「…だって恥ずかしいだろ。女装しますなんて言えないって。」
出来れば大好きな彼女に女装なんか見せたくなかった。
だけどクラスの女子に懇願されてしまい、渋々了承した。
「あたし女として自信なくすよ…。彼氏が優勝しちゃうんだもん。」
名前がちょっと拗ねたように唇を尖らせる。
不意打ちで尖らせた唇に自分の唇を重ねた。
「…っ!」
顔を真っ赤にした彼女が驚きの目で俺を見つめた。
「俺にとっては名前が一番だからいいんだよ。」