第9章 黒色のジャージ
鞄から目的の物を取り出して、2人は澤村先輩に駆け寄る。
日向/影山
「キャプテン‼︎」
澤村
「?何──…!」
2人が差し出したのは、くしゃくしゃになった入部届だった。
澤村先輩は、無言でそれを受け取る。
澤村
「………清水」
清水
「?」
澤村
「“アレ”、もう届いてたよな?」
潔子先輩が頷く。
暦
「アレ…?」
って、何だろ?
澤村
「鳴宮、清水と一緒に取りに行ってくれるか」
暦
「?ハイ」
私は、潔子先輩について体育館の外に出る。
向かった先は、バレー部の部室だった。