第10章 地下へ
ってのんきに喜んでる場合じゃなかった。
私には、目的があるんだ。
「で、その……ここは一体なんなんですか?」
一番聞きたかったことを尋ねる。
それを耳にし、耀はニヤリと笑んだ。
もったいつけて、せき払いをする。
「公子には特別に教えてやるが、誰にも言ってはいけないある。ここは――」
「Asian Research Detached Office、略してARDO(アード)だよ!」
後ろから陽気な声が上がる。
振り返ると、フェリちゃんが扉から入ってきた。
たったとこちらに駆け寄る。
アルはルートに路線変更したし、逃げ切れたようだ。
一瞬ホッと胸をなで下ろしたが、すぐルートのことで緊張状態に戻った。
本田さんは……いやむしろアーサーの心配をした方がいい気がする……