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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第41章 暗鬼による確信による、


通話が終わったのか、エドは携帯をポケットに戻す。

その目はスパイ(?)に釘付けだ。

そんなエドを知ってか知らずか。

男は歩みを止めることもなく、徐々にその背中は遠のいていく。

ほとんど見えなくなったところで、今度は車の音が近づいてきた。

「迎えが来ます。行きましょう」

エドが私を見て言った。

はい、と反射的に返事をしてしまったが、ふと疑念が頭をかすめる。



エドと電話の相手とのやりとりは、まるで私との遭遇を“予測”し“備えて”いたようじゃないか――?



エドは木の陰から身を出し、そのまま雑木林の出口まで歩きだした。

私も慌てて後を追う。

後ろをついてくる私を気にかけ、エドがふいと視線をよこした。

ちょうどばちっと目が合う。

そのとき、彼の瞳が恐怖を宿していることに気づいた。

「え……」

思わず声が漏れたが、エドには聞こえなかったらしい。

再び前を向いたその目が、何かを見つけて瞬いた。

雑木林の入り口には、黒い普通車が停まっていた。

ようやく入り口に辿りついた私たちを、ゆっくり開くドアが出迎える。

運転席でハンドルを握っていた人物。

その彼は、たった今生唾をのみこんだような顔で、片手で助手席のドアをあけたところだった。

「無事ですか!?」

「トーリス!」

「早く!」

エドに急かされるまま、挨拶をする間もなく私は車内に転がり込んだ。

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