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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第39章 錯綜と進む針と


唐突に、声を低くしてアーサーが言った。

問いただすような、責めるような。

そんな声色に、ぴたっとアルフレッドの動作がとまる。

アーサーを見ると、俯きがちになって腕を組み、壁にもたれていた。

しばしして、アーサーが緩慢に顔をあげる。

その瞳から、アルフレッドだけでなく、自分自身をも責めている声だと、アルフレッドは思った。

「なんのことだい?」

「とぼけるな。マシューになにかあったんだろ」

厳とした声で、アーサーが告げた。

意志に澄み切った緑眼は、持ち主の思考を読むことを許さない。

「……へー、さすがだね」

彼の情報網を侮ったつもりはない。

隠し通せるとも、思っていない。

しかし、一日も経たない中での発覚は、アルフレッドの予想していないものだった。

「……」

なにを、言うべきなのだろうか。

はぐらかそうだとか、言い逃れようだとか、そういうわけではなく。

ひたすらに、わからなかった。

アーサーの半ば睨みつけるような、鋭利な視線を受けながら、アルフレッドには持つ言葉がなかった。

沈黙に口をつぐんだままでいると、突然その口の中になにかが押し込まれる。

「んぐっ!?」
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