第9章 悪夢
「環奈…」
保健室の扉が開かれ、
そこにいたのは誠二くんだった。
「誠二くん?」
扉を開くなりすぐさま私の方にきて
抱きしめた。
さっきのことを思い出してしまい
反射的にすこし、抵抗してしまった。
「俺が怖い?」
「ううん、怖くない、よ…」
「震えてる」
「あ…」
確かに震えていた。
怖くなんかないのに。
「俺と付き合ったから
こんなことになったんだよな
本当にごめん」
謝らなくていいのに…
「環奈…またこんなことがあるかもしれない
怖かったら今のうちに別れ」
ちゅっと私はぎこちなくキスをした。