第12章 愛するための勇気
そんなわけで、渋々
契約書を引っ張りだす
元神様は顔面痣だらけ。
薺は鬼灯のバイオレンスを
目の当たりにしてドン引き
……するどころか
頬染めてうっとりだよ!
惚れ直したってか!
いや確かにさっきのは
かっこよかったけどね!
はっ!今のウソ!なし!
何言ってんだ僕の馬鹿!
「旦那、……東洋の旦那」
ひとり呻いていると
すっかり汐らしくなった
そいつに声をかけられた。
垂れた鼻血を啜りつつ、
何とも気まずそうに
こんなことを告げられる。
「……魂を分けるんなら、
それなりの対価が必要ですェ」
それが何を意味するのか
──僕は知ってる。
「ああ。……ちゃんと
相応のモノを差し出すよ」