第12章 愛するための勇気
一瞬だったと思う。
光より速く何かが
吹っ飛んで、潰れて
そんで踏みつけられた。
僕は忘れてたよ。
鬼灯が馬鹿みたいに強くて
どうにも全然毛ほども
釈然としないけれども
頼りになる奴だってこと。
「ぐ、うへェ……ぐ
ぐるじい……じぬゥ」
「醜くて汚いその顔を
ねじ切られたくなきゃ
とっとと言うことを聞け」
吹っ飛んだのは分厚い本。
潰れたのは奴の片目で、
頭をおもっきし踏まれてる。
しかも、鬼灯がブン投げた
本の題名が【魂の分割入門】
だったもんだから、
「嘘だろマジか……」
だなんて気の抜けた声が出た。
「嘘つくならもっと
マシな嘘をつけ!!!」
「おぎゃああ!切れる!
本当にねじ切れるゥゥゥ!!」
合掌。僕無宗教だけど。