【進撃の巨人】Happy Birthday【生誕祭】
第1章 Happy Birthday Dear Levi
12月25日。
今日は特別な日。
「・・・お節介な野郎だ・・・」
本当はもっと皮肉を言ってやるつもりだった。
しかし、黙々と樅の木の飾り付けを手伝うミケとモブリットを見ていたら、何も言えなくなってしまった。
自分自身は今日という日に何の価値も置いていないというのに。
ハンジやミケ、モブリットは特別だと思っているのか。
「・・・勝手にしろ」
悪態をついて講堂を出て行くリヴァイを、三人は笑いながら優しい眼差しで見つめていた。
それだけではない。
その日、リヴァイは大勢からプレゼントを受け取った。
ナナバからは新しいクラバット、
ペトラからは手作りのクッキー、
エルドとグンタは、リヴァイの執務室を掃除してくれた。
オルオがくれたマッサージ券はその場で破り捨てたが・・・
他にもすれ違う兵士という兵士から“おめでとうございます”と言われる。
正直、居心地が悪かった。
だんだんと不機嫌になっていくと、人を避けるようにして兵舎の屋上へと向かう。
すでに太陽は沈み、月が出ている。
やんでいたはずの雪が、再び空から舞い落ちていた。