第1章 赤い月…
チュッと音をたて
軽く触れただけの唇
咲希の目を見つめながら離す
名残惜しそうな目で
俺の唇を見つめる
咲「太ちゃん…もっと…」
物足りないといった顔で
俺の目を上目使いで見つめてくる
藤「…咲希ちゃん…もう寝な?ね?」
優しく頭を撫でながら宥める
咲「…や…だ…もっと甘いの
してくれるまで寝ない…太ちゃん…」
潤んでいた瞳をさらに潤ませ
大きな瞳から涙が溢れそうだった
これでも理性を保つのに必死な俺
さっきの軽いキスだけでも
ヤバイのに、もっと甘いの、とか…
涙いっぱい浮かべた瞳で見つめられて
お願いされて、もう、無理…