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ブッ飛んでる設定とイケメン達のクソ甘い話

第5章 珈琲*スモーカー


スモーカーはよく私の部屋に来る。


「あのなぁ、私の部屋は喫茶店じゃないんだ」

「でも手はもう準備してるぞ」

「…癖だ、癖!」

スモーカー曰く、海軍のコーヒーは苦くてまずいらしい。
私はコーヒーを入れるのが軽く趣味であったりするので、来客にはいつも振る舞うのだが、こいつは来てからずっとここでコーヒーを飲む。

「手土産にコーヒーにあうお菓子でももってくればね」

「おれはこの間のお前が作ったブラウニーが食いてぇ」

「あ!あれ美味しかった⁈じゃあ今度また作……流されないぞ私は」

「既にこの手に3回乗ってる奴が何を言う」

図星。スモーカーは褒めるのがうまい。なんでも。
だからつい乗せられる…不甲斐ない…。

「ったく…麦わらのストーカーのくせに」

「あぁ?」

ボソッとついたつもりの悪態が、見事に聞こえていたらしい。

「なんでもない…ほら、今日も頑張れよ、G-5は手強いからな」

コト、とテーブルの上にスモーカーの前にカップを置く。

「完璧にまとめ上げてる奴に言われても実感わかねぇな…美味い」

「そりゃどーも」

いつも聞くこの三文字に、思わず頬が緩んでしまう。

「さて、戻るか」

「昼はどうする?」

「来る」

「わかった」

部屋を出て行ったスモーカー。
コップを片付けようと立ち上がる。
いつも、全て飲み干していくスモーカー。
また頬が緩んでしまうのだった。


私の主な仕事は書類の処理。
報告書だの決算書だの、ハンコを押す。
少将になってからというもの、そんな仕事ばかり増えた。
一日中机に縛り付けられることも珍しくない。

そんな中、訪問してくれるG-5の兵士たちには少し感謝したりしている。

「さん‼︎お花つんできました!」

「ぶっ」

「え⁈」

「似合ってない…行動が…」

流石に見た目が害悪のありそうなゴツい奴らが可愛らしい花を摘む姿を想像して、笑えないわけがない。
笑すぎてお腹が痛い。

「でも、ありがとう。貴方達のそういう優しいところが好き」

「‼︎‼︎」

「ふふ、飾っておく。あと少しでお昼ね、それまでがんばって」

「はいっ‼︎‼︎‼︎」

嬉々として帰っていく兵士たち。
もらった小さな白い花の束を、インクの空瓶に生けた。

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