第2章 再会
交差点の向こう側に着く数秒前に信号が変わった。
ひかり 「わ!」
急に腕を掴まれて引っ張られたので、体がよろけた。
翔 「おせーって!おっまえ、何でいつも信号渡る時ボケーッとすんの?(呆) 轢かれるぞ、そのうち。」
呆れた顔した後、ククッて笑って。
また歩き出す。手はポケットの中にしまわれる。
ひかり 「・・・・・・・ごめん。」
とりあえず、謝って。
少し後ろを、背中を見つめながら付いて行く。
前を歩くのは、翔だ。
紛れもなく、翔だ。
だけど。
だけども、だ・け・ど!!
この翔は、ずっと昔の翔だよ?!
今の櫻井翔ではない。確実に。
だって、細いし。
だって、茶髪だし。
だって、ピアスしてるし。
どういうこと????
しかも。
その上。
翔の方も私に対して全く違和感持たずにいる。
まるで付き合ってた時のように振る舞ってる。
「はっ!」と思い付いて、真横の大きな窓ガラスを見る。
――――そこには、翔と同じく、ずっと以前の私がいた。