第13章 イビツなカタチ
だんだんと思考回路が麻痺し始める辺りで、櫻井くんの手がブラとキャミソールの紐をずらす。
キャミソールがスルスルと床に落ちた。
ベッドへと二人の体が沈む。
舌が首筋から胸へと伝っていく。
ホックを外され、胸が露わになる。
意識が櫻井くんの指や唇に集中し出す。
と、いつもならまさぐり始める手が止まった。
ひかり 「・・・・・・?」
翔 「ふっ。」
鼻で笑った。
あ。機嫌悪くなった。
何だろ。
視線の先に目を遣る。
同時に、頭の中で心当たりを探す。
(しまった。 )
旦那がつけ、微かに残ったキスマークだった。
最近は滅多にないのに、この前たまたま・・・・・・。
まだ残ってたのか。
もう何日か前なのに。
タイミング悪いとは思ったけど、仕方ないじゃん。夫婦なんだもん。
下手に断って怪しまれたら困るし。
私も別にしたいワケじゃなかったよ。
だいたい、櫻井くんとのコトの方が責められるべきコトなんですけど。
何で櫻井くんが機嫌悪くなるの? お門違いだよ。