第13章 イビツなカタチ
ひかり 「お邪魔します。」
翔 「どーぞ。」
スウェット姿の櫻井くんが奥のリビングから出てくる。
靴を脱いで上がると、目で寝室へと促される。
ひかり 「いきなり寝室?(苦笑)」
翔 「え?語らいたいならリビング行ってもいいけどさ。床の上じゃ痛くね?(笑)」
そう言って私の背中を軽く押し、寝室のドアの中へと促した。
私がコートを椅子に掛けていると、櫻井くんがスウェットを脱ぎ出した。
筋肉の隆起がTシャツの上からでも分かる。
顔とギャップがあり過ぎな、オトコくさい体つき。
翔 「脱いでよ、服。」
言われるままニットを脱いで、デニムを下ろす。
最初のうちは、これすらも恥ずかしかったけど。
・・・・・・・・慣れってヤだね。
下着を纏っただけの姿の私の手を引っ張り、自分の方へと寄せる。
翔 「今日は言うほど時間ないから。悪いね。今度またメシでも食いましょう(笑)」
口元に薄く笑みを浮かべながら顔を近付ける。
いつものキス。
このコはどこでこんなキスを覚えたんだろう。
正直、キスとかあんまり上手じゃないんじゃないかって思ってたんだけど(苦笑)
いつもキスで骨抜きにされそうになる。意外だった。