• テキストサイズ

ふたりのカタチ

第7章 トラップのカタチ


翔 「あとさ、丁寧語やめない?オレの方が下でしょ?」


ピクリとも顔のパーツが動かない。

出方、考えてんのかな?


翔 「ま、ルームサービスで頼んじゃったし、その分くらいは付き合ってよ。」

ひかり 「・・・・・・・・・・・・どうして私なんですか。」


あ、口開いた。

さっきバーで初めて声聞いた時にも思ったけど、ほわっとした丸い声だな。
見た目からだと、もう少し高めの通る声かと思ったけど。


翔 「興味がね(笑)」


睨みつけた顔を求めまくる顔にしてみたくって。
とは、言えねー(苦笑)


翔 「挨拶周りの時、すっげー俺のこと睨んでたから(笑)」

ひかり 「睨んで・・・・・・?」

翔 「怖い顔して見てたから、何でかなーと思って。」

ひかり 「そんなつもりは・・・・・・・ないですけど。」

翔 「俺のことキライなのかと思ってさ(笑) 逆に興味湧いたの。」

ひかり 「はぁ・・・・・・・。」


目線を一度椅子の方に流して、「ま、座ったら?」という意思表示をする。


彼女は少し考えて、諦めたのか座った。


翔 「とりあえずワイン頼んだんだけど、ブランデーとか飲める?」

ひかり 「・・・・・・分かりません。」

翔 「え?分からないってどーゆーこと?」

ひかり 「以前匂いを嗅いであまり好きじゃないと思ったから、飲んだことないんで・・・・・」

翔 「ふーん。じゃあ、今日試してみてよ。後で頼むから。案外イケルかもよ?普段は何飲んでるの?」

ひかり 「普段はそんなに飲みません・・・・・・」

翔 「丁寧語、やめようって(笑)」


2つのグラスにワインを注ぎ込む。


翔 「あ、名前。訊いてなかったね、まだ。僕は櫻井翔と言います(笑)」

ひかり 「・・・・・綾瀬ひかりです。」


グラスを差し出すと、彼女の手がおずおずとグラスを掴む。


翔 「じゃ、乾杯。ひかりさん。」

ひかり 「・・・・・・・・・乾杯。」


小さな声で彼女が呟く。









/ 41ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp