第7章 トラップのカタチ
翔 「どうぞ。」
座ったまま、向かい側の椅子を勧める。
こちらにゆっくりと近づいて、そのまま進めた椅子に座る。
・・・と思ったら、オレの前に立ち、手を差し出す。
その手には、部屋のカードキー。
ひかり 「お返しした方がいいと思って。」
カードキーを受け取りながら、その手を見る。
キレイに施されたネイル。
少し触れた指先が、えらく冷たい。
ってか、キー返しに来たのか!
そっち?!
カードキーを受け取って、顔を見上げる。
全然笑ってない。
怒らせたか(苦笑)
でも、まぁいっか。
だって、その冷ややかな顔を崩してみたくて声かけたんだから。