第6章 接近のカタチ
・・・・・・・・・・・部屋。
どういうこと?
この業界のセオリーがさっぱり分からない。
私は行った方がいいのか、行かない方がいいのか。
普通なら行かないけど。
行くわけないけど。
状況が特殊過ぎて、やっぱり分からない。
行かないと翔くんをバカにしてることになったりするんだろうか。
そういう男だと疑うことになるんだろうか。
そもそも、翔くんはどういうつもりなんだろう。
カードキーを見つめながら考え続ける。
どうする?
どうしたらいい?
どうするべき?
グラスの中の氷は半分以上溶けてしまった。
水っぽくなったカクテル。
グラスも困って冷や汗をかいているように見えた。