第9章 Endless Game (R18)
起き上がってシャワーを浴びる。
頭上から流れるお湯に紛れて涙も一緒に落ちていく。
知ってるのに。
目の前にあるあのドアを開ければ。
別のリアルと繋がるあのドアを開ければ。
リセットできるってことを。
部屋に戻ってきても、智はまださっきと同じ状態のままタバコを吸っていた。
チラとこちらを見る。
智 「もうすぐ終電の時間じゃねぇの?」
そんなこと、知ってるよ。
智 「別に泊まってってもいいけどさ。」
泊まったところで、さっきと同じことが繰り返されるだけ。
それも知ってるのに。
服に着替えず、ソファの上で毛布にくるまる。
進むべき結末に目を閉じる。
答えは見えなくなった。
メビウスの環から降りる方法を、いつか見つけられるのだろうか。