第7章 余談
キョーちゃんの寝室の隅に見覚えのあるシャツがかかっていた。
あの日、あの夜から見かけないと思っていた俺のシャツだった。
キョーちゃんに確認するとアイロンを掛けて帰そうと思って持ち帰ったらしい。
ご丁寧なことで。
そんな綺麗に掛けてあるシャツとは対照に、洗濯された大量の彼女のシャツの山があった。
きっと俺のシャツだけはアイロンを掛けたものの、自分のものはしなかったのだろう。
それだけ考え事ばかりしてたって思っていいのかな。
寝室もリビング、キッチン同様に少し荒れていた。
でも、今はそんなこと気にしない。
明日、起きてから一緒に片付けをしてあげよう。
隣で横になっているキョーちゃんを抱きしめると、やっぱり甘い香りがした。
「ねえ、丹羽先輩。
来週はまたお兄ちゃんとこ、行きましょう」
「何で?」
「色々相談に乗ってもらってましたから」
「何処まで話したの?」
「え? ほとんど話してます」
「もしかして、あの夜の事も?」
「まずかったですか?」
「...まあ、ね」
やっぱりキョーちゃんは読めない子だ。